〜見る将棋 第31期竜王戦2組ランキング戦 三浦弘之九段vs山崎隆之八段〜

皆さんこんにちは!見る将棋、ライトな将棋ファン向けブログ管理人のきんちゃんです。

 

本日のお題の対局は竜王戦2組のランキング戦「三浦弘之九段vs山崎隆之八段」です。

 

竜王戦2組なんてそこそこマニアックじゃん!という方も多いかとは思いますが、対戦者が三浦九段となれば話は別です。昨今の将棋ニュースを見聞きしていた方には記憶に新しいかもしれませんが、棋界の武蔵との異名を持つ三浦九段は2016年に開催される第29期竜王戦の挑戦権を獲得し、永世竜王である渡辺明竜王に挑む。。予定でしたが、スマホカンニング疑惑をかけられ、対局が開始される何と4日前(2016年10月11日)に全棋戦の出場停止を言い渡され、竜王戦はおろか他の棋戦にも出場できなくなるという前代未聞の『冤罪』事件の被害者になってしまったのです。

 

ワイドショーにも取り上げられ、完全に悪者の汚名を着せられた三浦九段。しかし第三者委員会での徹底調査により疑惑も晴れ、出場停止処分が解けた2017年1月には復帰戦で羽生三冠(当時)と竜王戦1組トーナメント1回戦で対決しますが、ブランクは否めず破れ、さらに決勝トーナメント出場をかけた対局でも豊島将之七段(当時)に破れ、あえなく竜王戦2組への陥落を喫してしまいました。

 

しかし、将棋連盟との和解、疑惑の払拭により徐々に本来の棋力を取り戻した彼は第31期竜王戦では初戦で大石直嗣七段、続く2回戦では小林裕士七段を退けいよいよ竜王戦1組への昇級をかけた対局にこぎ着けます。その対局こそ今回の一番。「三浦弘之九段vs山崎隆之八段」なのです。

 

これはライトな将棋ファンでも三浦九段を応援せずにはいられません。果たして結果はいかに!

 

          〜結果発表〜

103手にて三浦九段の勝利!!となりました。いやぁ本当に良かった。対戦相手の山崎隆之八段は17歳でプロになった棋士。昨季のNHK杯選手権者であり、棋戦優勝も8回とかなりの強さですが、三浦九段には一歩及ばずの対局でした。

 

素人的な魅力のポイントは五十五手目の3五角と角と銀を交換した一手。大駒と言われる角をあっさり銀と交換し、攻めをつないでいきました。プロの方や将棋の上級者の方にとってはそれほど驚く手ではないと思いますが、へなちょこ将棋指しとしてはなかなか大駒を切るのは出来ない手でもあります。この手を指す12手前の43手目には100分にも及ぶ長考をしているため、おそらく読み筋であったとは思いますが、大駒をスパッと切る手は見ていてもワクワクしますね。

 

三浦九段の対局は中継をしていれば必ずチェックしますが、大駒を切って攻めをつないでいく事が多くあるような気がします。これがやはりプロの手であり、素人では考えにくい将棋の魅力であるような気がします。

 

この対局の勝利によって竜王戦2組の決勝に残った三浦九段。挑戦者を決める決勝トーナメントの進出と竜王戦1組の昇級を決め、僅か一年で竜王戦1組に返り咲きです!

 

2組決勝戦は5月16日(水)10時から深浦康一九段との決戦です。どこかでライブ中継してほしいものです。

まあ決勝戦は賞金は違いますが、勝っても負けても本戦出場と1組昇級は決まっているので、少しリラックスしてみれますね。

 

ご覧いただきありがとうございました!