〜見る将棋 今週の注目対局その2 5月18日(木)竜王戦5組ランキング戦 船江恒平vs藤井聡太〜

みなさまこんにちは!ライトでユルめな将棋ブログ管理人の「きんちゃん」です。

 

4月と5月は順位戦が開催されないため、順位戦以外のタイトル戦がどしどしと開催されて見る方も忙しいですね。

 

対局スケジュールを確認すると「これ見たい!」と思うような対局が目白押しで、毎日楽しいです。

 

そんなわけで今週の注目対局のその2は表題にもありますように『竜王戦5組ランキング戦 船江恒平六段v藤井聡太六段』の一局です。

 

※その1はこちらです!

 

kinjii238.hatenablog.com

 

この記事を書いている時点でもう明々後日、将棋界のニューヒーロー藤井聡太六段が11日ぶりに公式戦登場です。

 

前回の対局では昨季のA級棋士でもありタイトル経験者(しかも最年少タイトル獲得者)でもある屋敷伸之九段を相手に、隙のない将棋で完勝と言える勝利をした藤井九段ですが、今度の相手は船江恒平六段です。

 

まずは、どのようなものかをざっくりご説明します。

1,タイトル賞金は棋界最高の4,320万円。

 

2,タイトル戦ですので全棋士参加+女流棋士+アマチュア5名が参加します。

 

3,竜王戦は1組〜6組まであり、それぞれ組ごとにトーナメントを開催します。

 

4,組ごとのトーナメント上位者が挑戦権を懸けた本戦トーナメントに出場できます。

 

5,挑戦権を懸けた本戦トーナメント出場資格は、、、

 ・1組は参加者16名のうち上位5名。

 ・2組は参加者16名のうち上位2名。

 ・3組は参加者16名のうち上位1名。

 ・4組は参加者32名のうち上位1名。

 ・5組は参加者32名のうち上位1名。

 ・6組は参加者多数(1〜5組以外の棋士女流棋士、アマチュア5名)のうち上位1   名。

 

となっており本戦トーナメントはパラマス方式となっているためトランプゲームの大貧民のような状態です。

 

ちなみに昨年の本戦トーナメントはこんな具合でした。

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1組と2組は断然有利!!むしろ5組や6組はほぼ無理ゲーです。

 

で、、今回の対局はまだ本戦トーナメントでもありません。だがしかし、無理でしょ。。と思っていても何かを期待させられるのがヒーローというもので、藤井聡太六段はもしかしたら本戦行っちゃうんじゃないか?(実際去年は本戦に行っています)本戦でも結構勝っちゃうんじゃないか?と思わせられる強さです。

 

もちろん簡単ではないです。むしろ今回の相手は藤井聡太六段に勝った井上慶太九段の門下船江恒平六段ですので、より良い勝負が見れるような気がします。なんせ井上門下は菅井王位・稲葉陽八段と船江六段ですが、菅井王位、稲葉陽八段と師匠である井上慶太九段も全員藤井六段から勝っています。藤井六段としては天敵の門下という事ですね。

 

ミーハーな自分は藤井六段の妙手や凡人にはおよそ想像つかないような将棋を期待しておりますが、船江恒平六段も十分に研究して望んでくるはずですので、必ず面白い対局になると思います。

 

持ち時間も5時間ずつあるので、死力を尽くした素晴らしい対局を期待しています。

 

対局放送はAbemaTVとニコニコ生放送で中継予定です。また有料アプリですが仕事で見られない方は将棋連盟の公式アプリで棋譜をチェックする事も出来ます。

 

金曜日が楽しみです!!

 

さいごまでご覧いただき本当にありがとうございました。

 

〜見る将棋 今週の注目対局その1 5月17日(木)王位戦挑決リーグ最終戦 羽生善治vs松尾歩〜

みなさまこんにちは!ライトな将棋ファン「きんちゃん」です。

 

今日は日曜日。日曜日は基本的に将棋の公式戦は行われないためNHK杯のトーナメントを録画し、夜にまったり見る事が多いのですが、同時に今週はどんな対局があるのかをチェックするのも日課になっています。

 

そのなかで僕が面白そうだなと感じる対局の紹介をしていきたいと思います。そして読んでいただいてる方がより興味を持っていただければ幸いです。

 

今週の注目対局その1はタイトルにもあるように王位戦の挑戦者決定リーグ紅組《羽生善治vs松尾歩》です。

 

簡単に王位戦をおさらいしますと、王位戦とは将棋界の八大タイトルのうちの一つであり序列的には4番目のタイトルです。1960年から行われている棋戦で、優勝賞金は1,000万円と言われており主催は新聞三社連合北海道新聞社、東京新聞社中日新聞社西日本新聞社神戸新聞社徳島新聞社)となっております。

 

タイトル戦ですので全棋士参加しプラス女流棋士2名で争われます。予選を勝ち上がった棋士8名とシード棋士4名の計12名を6名ずつの紅白リーグに分けそれぞれのリーグの優勝者同士で対局し挑戦者を決めます。

 

現タイトル保持者は菅井竜也王位で昨年の58期王位戦羽生善治三冠(当時)より奪取しました。

 

そして今期の挑戦者決定リーグもいよいよ大詰め、今週は紅白リーグの最終戦です。

現在、紅白リーグの紅組は羽生竜王村山慈明七段が3勝1敗同士で並んでおり、最終局に2人とも勝てばこの2人によるプレーオフになります。また現在2勝2敗の3位タイには木村一基九段と松尾歩八段が位置し、最終局は羽生vs松尾、村山vs木村となっているため、状況的には4者プレーオフもあり得る状況となっております。

一方白組は澤田真吾六段が4勝0敗と一歩リードで最終戦を迎えます。

 

そんな大詰めの王位戦、やはり注目してしまうのは将棋界の大正義、羽生竜王です。タイトルを失っても次の年には当然のように挑戦者として現れる、まるでゾンビのようなスタイル、中継で見ていても棋譜を見ても理解不能な指し手、そしてその理解不能な点のような一手が最終盤で線になるという、完成度の高いミステリー小説のような将棋は見る度に引きつけられ、どんな劣勢に陥っていても羽生さんならなんとかしてしまうのではないか?と期待させられてしまいます。さすが将棋星人です。

対する松尾歩八段、現在38歳。居飛車党で竜王戦は1組、順位戦はB級1組。強いです、、しかし!強いのは分かっていますがこれと言った特徴が。。自分の頭の中のデータベースでは全く書けなかったのでグーグル先生に聞いてみると、、父親が物理学者、二歩で負けた事がある、、うん。それぐらいしか分かりませんでした。

だがしかし、30代で八段、竜王戦は1組、順位戦はB級1組、エピソードは少ないですが間違いなくかなり強い棋士である事は間違いないです。ましてや王位戦の挑戦者決定リーグにいる訳ですから素晴らしい対局になる事は間違いなさそうです。

 

個人的にはやはり羽生竜王のリベンジマッチが見たいので羽生竜王目線で見てしまいますが、胸が熱くなるような対局を期待しています。

 

対局は5月17日(木)10:00から持ち時間各4時間で開始します。ネット中継ではAbemaTVで最終局の一斉配信と、有料ですが将棋連盟公式アプリで中継するようです。ニコニコ動画は番組表にありませんでしたがやらないのかな?

 

Abema TVは一斉対局となっていたので、羽生-松尾戦以外にも木村-村山戦も中継されるかと思います。聞き手、解説はまだ未定のようです。

 

とにかく楽しみです。ご覧いただきありがとうございました。

 

 

〜見る将棋 第31期竜王戦2組ランキング戦 三浦弘之九段vs山崎隆之八段〜

皆さんこんにちは!見る将棋、ライトな将棋ファン向けブログ管理人のきんちゃんです。

 

本日のお題の対局は竜王戦2組のランキング戦「三浦弘之九段vs山崎隆之八段」です。

 

竜王戦2組なんてそこそこマニアックじゃん!という方も多いかとは思いますが、対戦者が三浦九段となれば話は別です。昨今の将棋ニュースを見聞きしていた方には記憶に新しいかもしれませんが、棋界の武蔵との異名を持つ三浦九段は2016年に開催される第29期竜王戦の挑戦権を獲得し、永世竜王である渡辺明竜王に挑む。。予定でしたが、スマホカンニング疑惑をかけられ、対局が開始される何と4日前(2016年10月11日)に全棋戦の出場停止を言い渡され、竜王戦はおろか他の棋戦にも出場できなくなるという前代未聞の『冤罪』事件の被害者になってしまったのです。

 

ワイドショーにも取り上げられ、完全に悪者の汚名を着せられた三浦九段。しかし第三者委員会での徹底調査により疑惑も晴れ、出場停止処分が解けた2017年1月には復帰戦で羽生三冠(当時)と竜王戦1組トーナメント1回戦で対決しますが、ブランクは否めず破れ、さらに決勝トーナメント出場をかけた対局でも豊島将之七段(当時)に破れ、あえなく竜王戦2組への陥落を喫してしまいました。

 

しかし、将棋連盟との和解、疑惑の払拭により徐々に本来の棋力を取り戻した彼は第31期竜王戦では初戦で大石直嗣七段、続く2回戦では小林裕士七段を退けいよいよ竜王戦1組への昇級をかけた対局にこぎ着けます。その対局こそ今回の一番。「三浦弘之九段vs山崎隆之八段」なのです。

 

これはライトな将棋ファンでも三浦九段を応援せずにはいられません。果たして結果はいかに!

 

          〜結果発表〜

103手にて三浦九段の勝利!!となりました。いやぁ本当に良かった。対戦相手の山崎隆之八段は17歳でプロになった棋士。昨季のNHK杯選手権者であり、棋戦優勝も8回とかなりの強さですが、三浦九段には一歩及ばずの対局でした。

 

素人的な魅力のポイントは五十五手目の3五角と角と銀を交換した一手。大駒と言われる角をあっさり銀と交換し、攻めをつないでいきました。プロの方や将棋の上級者の方にとってはそれほど驚く手ではないと思いますが、へなちょこ将棋指しとしてはなかなか大駒を切るのは出来ない手でもあります。この手を指す12手前の43手目には100分にも及ぶ長考をしているため、おそらく読み筋であったとは思いますが、大駒をスパッと切る手は見ていてもワクワクしますね。

 

三浦九段の対局は中継をしていれば必ずチェックしますが、大駒を切って攻めをつないでいく事が多くあるような気がします。これがやはりプロの手であり、素人では考えにくい将棋の魅力であるような気がします。

 

この対局の勝利によって竜王戦2組の決勝に残った三浦九段。挑戦者を決める決勝トーナメントの進出と竜王戦1組の昇級を決め、僅か一年で竜王戦1組に返り咲きです!

 

2組決勝戦は5月16日(水)10時から深浦康一九段との決戦です。どこかでライブ中継してほしいものです。

まあ決勝戦は賞金は違いますが、勝っても負けても本戦出場と1組昇級は決まっているので、少しリラックスしてみれますね。

 

ご覧いただきありがとうございました!

 

〜見る将棋 第76期名人戦第3局 佐藤天彦名人vs羽生善治竜王〜

記念すべきブログのスタートは上記タイトルの一局です。

 

ブログのスタートしてはこれ以上無い素敵な一戦!将棋界の最高峰の戦い『名人戦』です。

 

将棋連盟のHPを見ても8つあるタイトルのうち一番最初に名人戦が載っています。こと賞金の面ではおそらく『竜王戦』が最高峰であるのに対し、歴史や格の面ではやはり棋界を代表するタイトルであります。

 

「棋界の貴族」こと佐藤天彦名人に対するのは、説明不要の永世七冠、羽生善治竜王です。2016年第74期の対局では『名人』羽生善治に『挑戦者』佐藤天彦でしたが、4勝1敗で佐藤天彦が名人位を奪取し、昨年の第75期名人戦でも稲葉陽八段の挑戦を退け名人位を防衛しています。

 

今年度の挑戦者である羽生竜王は前代未聞の6人プレーオフというトーナメントを勝ち抜き挑戦者に名乗りを上げます。

 

羽生竜王の凄いところは、やっとの思いでタイトルを奪ってもすぐにまた挑戦者になって帰ってくるというところです。ほんとに恐ろしいですね。。以前、深浦九段も冗談半分に、すぐ挑戦者になって戻ってくるから怖くて夜も眠れない。。とおっしゃってました。羽生竜王の異名はたくさんありますが、この状態はまさに『鬼畜眼鏡』と呼ぶにふさわしい執念です。

 

そんな両者の対局ですが今シリーズでは1勝1敗とお互い星を分けております。どちらも先手番を制しての勝利でしたが、第3局は羽生竜王の先手番。個人的にはやはり大正義羽生を応援しています。

 

〜結果発表〜

第3局は111手にて挑戦者羽生善治竜王の勝利となりました。棋符や詳しい戦型等は他ブログや動画をご覧くださいw

 

個人的な注目ポイントは佐藤名人のうなだれながら考える姿勢とアップルジュースを注文する回数でしたがアップルジュースの注文回数はおやつ2回と昼食時の2回で計4回でした。2日目の夕食時は頼まなかったのか?

 

また、将棋の部分で言えば87手目に3四桂馬と自玉の危険も顧みずに相手の銀を取っていったところでした。もちろん終盤にさしかかったところでの43分の長考ですから、自玉の詰みは無しと踏み込んでいったのではあると思うのですが、やはりそこはプロの棋士ですね。魅せる将棋魅せる一手であったと思います。

 

この一手には現地にいた立会人の福崎九段はじめ検討していた井上九段や副立会人の北浜八段も驚いていた様子でした。畠山鎮七段も87手目の3四桂は一番強い変化で残り時間もあるからやらないだろうと予想していました。ところが一番強い変化を好むのが羽生竜王であり、幸運の女神は勇者に微笑むの言葉を実践する手です。まさに、強者の一手をはなちそのまま押し切り勝ちを手にしました。

 

これで2勝1敗と白星を先行させた羽生竜王、かつて番勝負では偶数局が大事と大山康晴永世名人は語っていましたが、今後の決戦がどのようになるか注目です。

 

注目の第76期名人戦、第四局は5月19日・20日に佐藤名人の出身地でもある福岡県は福岡市ある「アゴーラ福岡山の上ホテル&スパ」で行われます。

 

前夜祭もあるようですし、立会人は同じ九州出身(長崎でしたっけ?)棋士の深浦康一九段。盛り上がる事間違い無しですね。僕も行きたいですが仕事&金欠&家族の重圧の三重苦で絶対行けません。。仕事の合間にアプリでチェックですね。

 

お仕事がお休みの方はおそらくAbema TVとニコニコ生放送で見れると思うので、まったりゴロゴロしながら観戦が最高です。

 

ご覧いただきありがとうございました。

〜見る将棋 自己紹介とごあいさつ〜

皆様こんにちは!当ブログの書き手『きんちゃん』です。

 

昨今は藤井聡太六段(2018年5月現在)の登場から活躍。羽生竜王の永世七冠達成と国民栄誉賞受賞など、将棋界がマスコミに多く話題に取り上げられてかつて無い程の盛り上がりをみせております。

 

また、バラエティ番組においても加藤一二三九段の活躍や現在は棋士を引退されておりますが桐谷弘人さんもテレビでよく拝見する機会が多く、将棋棋士や将棋界が身近に感じる事が多いのではないかと思います。

 

このブログは将棋は好きだけど、実際大会に出たり、スマホアプリで対戦したりはちょっと。。けど将棋見るのは好きなんだよね〜という方向けのかなりライトな将棋ファン向けのブログです。

 

かくいう自分も将棋のルールを覚えてからは30年程経っていますが、特別将棋チャンネルで逐一チェックする事も無く、定跡本を読みあさるでも無く、コアなファンではありません。

 

個人的に好きな棋士や応援している棋士、面白そうだなと予感させる対局をliveアプリで見て、やっぱプロはすごいな〜と感心するのみです。

 

定跡の解説や棋士の機微は専門の観戦記者さんや老舗の将棋ブログさんにお任せして、将棋を深く考えずに純粋に『この手すげぇ〜』とか『やったあの棋士が勝った!』なんて無責任に楽しんでいけるブログを目指して、僕の好きな将棋が皆さんの好きな将棋がもっともっと身近になっていってくれたら。。の思いで書いていきますのでどうぞよろしくお願い致します。